- 麻のチクチクの原因
- チクチクの改善の方法
涼しげで独特の風合いがある麻。
サラッとした肌触りが好まれて、洋服やシーツなどに使われています。
使えば使うほど増すしなやかさや柔らかさが魅力です。
そんな麻製品ですが、チクチクすることはないですか?
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前に買った服はチクチクしないのに今回はどうして?
痛いような痒いような…
あれってなんなんでしょう?
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これってどうにかならないの?
この記事では繊維製品品質管理士の筆者が、麻がチクチクする原因と改善方法を紹介します。
チクチクに困っている人はチェックしてみてください。
- 特にラミーという種類の麻がチクチクしやすい
- 柔軟剤を入れて繰り返し洗濯をすることで改善される
麻とは何か
麻(リネン、フラックス)は、天然素材として古くから人類に利用されてきた繊維です。
特に衣服や家庭用品に広く使われており、夏の衣料としても人気があります。
麻は植物の茎から採れる繊維であり、その優れた吸湿性、通気性、耐久性などが特徴です。
麻と呼ばれるものの中には、リネン(亜麻)、ラミー(苧麻)、ヘンプ(大麻)、ジュート(黄麻)など約20種類以上あります。
その中でも家庭用品品質表示法で「麻」と表記できるものは、リネン(亜麻)とラミー(苧麻)です。
リネンやラミーと表記されていることは少なく、ほとんどの場合は「麻」とだけ表記されています。
なので、表記を見ただけではリネンかラミーどちらが使われているかわかりません。
なんだったら、アパレル側でも把握できていないこともあるくらいです。
リネンとラミーの違い
さて麻の中の二つの主要なリネン(亜麻)とラミー(苧麻)。
この二つは似ているようで異なる特性を持っています。
リネン(亜麻(あま)) | ラミー(苧麻(ちょま)) | |
原料 | フラックス(亜麻)の茎の部分 | 苧麻の茎の靭皮(じんぴ) |
特徴 | 柔らかい | 硬い 耐久性が高い リネンより光沢がある |
用途 | 衣類 ナプキン ベッドシーツ | 衣類 ロープ インテリア製品 |
リネン(亜麻):
- 原料:フラックス植物(亜麻)から採れる繊維。植物の茎の部分を使う。
- 特徴:柔らかく、光沢がある。吸湿性と速乾性に優れ、通気性が良い。
- 用途:衣服、テーブルクロス、ナプキン、ベッドリネンなど。
ラミー(苧麻):
- 原料:苧麻(ラミー)植物から採れる繊維。茎の靭皮(じんぴ)を使う。
- 特徴:非常に強く、耐久性が高い。リネンよりも光沢があり、少し硬め。
- 用途:ロープ、工業用素材、衣服、インテリア製品など。
麻の肌触りがチクチクする理由
繊維の構造と粗さ
リネンとラミーの繊維は、他の天然素材と比較して太く、表面が粗いです。この粗さが肌に直接触れることで、チクチクとした刺激を感じることがあります。特にラミーは、繊維が非常に強いため、肌触りが硬く感じられることが多いです。
織り方と仕上げ加工
麻の織物の肌触りは、織り方や仕上げ加工によっても大きく影響されます。一般的に、粗く織られた麻は肌にチクチクする感触を与えやすいです。また、リネンとラミーの繊維が未処理のまま使用されると、硬さが増し、肌に対する刺激が強くなります。
麻の初期状態
麻は新品の状態では、繊維がまだ硬く、肌触りがチクチクすることがあります。しかし、使用するにつれて繊維が柔らかくなり、肌に優しい感触に変わります。特にリネンは、洗濯を繰り返すことで柔らかさが増しますが、ラミーはその強さから柔らかくなるまでに時間がかかることがあります。
麻の肌触りを改善する方法
洗濯と柔軟剤の使用
麻の肌触りを改善する最も簡単な方法の一つは、洗濯と柔軟剤の使用です。以下の手順で麻製品を洗うと、繊維が柔らかくなり、チクチク感が軽減されます。
- ぬるま湯で洗う:熱い水は繊維を硬くする可能性があるため、ぬるま湯で洗うことをおすすめします。
- 柔軟剤を使用する:柔軟剤を使用すると、繊維が柔らかくなり、肌触りが良くなります。特にラミーの場合、柔軟剤の効果が顕著です。
- 脱水は控えめに:強い脱水は繊維を傷める原因となるため、控えめに脱水しましょう。
アイロンがけ
アイロンがけも効果的な方法です。アイロンの熱と圧力により繊維が整い、表面が滑らかになります。中温から高温のアイロンを使用し、スチーム機能を活用すると良いでしょう。特にリネンはアイロンがけにより大きな効果が期待できます。
漂白とお酢の使用
自然な方法として、お酢を使った洗濯も効果的です。洗濯時に少量のお酢を加えることで、繊維が柔らかくなります。また、軽い漂白効果もあり、白い麻製品をより明るく保つことができます。
麻の製品選びのポイント
柔らかい麻製品の選び方
麻の肌触りを重視する場合、最初から柔らかい加工が施された麻製品を選ぶことが重要です。製品のラベルや説明をよく確認し、「プレウォッシュ加工」や「ソフトタッチ」などの表記があるものを選びましょう。
ブレンド素材を選ぶ
麻100%の製品はチクチクしやすいですが、綿やレーヨンなど他の柔らかい素材とブレンドされた麻製品は、肌触りが良いことが多いです。特に敏感肌の方には、ブレンド素材の麻製品をおすすめします。
リネンとラミーの使い分け
使用目的に応じてリネンとラミーを使い分けることも重要です。衣服や寝具など、直接肌に触れるものには柔らかいリネンを選び、耐久性を重視する場合や工業用にはラミーを選ぶと良いでしょう。
試着して確認
可能であれば、実際に試着して肌触りを確認することが最も確実です。オンライン購入の場合は、返品・交換ポリシーを確認し、万が一肌に合わない場合に対応できるようにしておきましょう。
麻の長期的なケアと保管方法
定期的な洗濯とメンテナンス
麻製品は定期的に洗濯し、清潔に保つことが大切です。前述のように、柔軟剤やお酢を使用して洗濯することで、長期間にわたって柔らかい肌触りを維持できます。特にリネン製品は、頻繁に洗うことで繊維が柔らかくなり、より快適になります。
適切な保管方法
麻製品を保管する際は、湿気の少ない場所に保管することが重要です。湿気が多いとカビや劣化の原因となります。風通しの良い場所に吊るして保管するか、乾燥剤を使用することをおすすめします。また、ラミー製品は特に湿気に弱いため、保管時に注意が必要です。
季節ごとの点検
季節の変わり目には、麻製品の状態を点検し、必要に応じてメンテナンスを行いましょう。特に長期間使用しなかった場合は、再度洗濯やアイロンがけを行うと、繊維が整い、快適に使用できます。また、ラミー製品は硬さが戻ることがあるため、再度柔らかくするためのケアが必要です。
特別なケア方法
麻製品は、特別なケアを施すことでより長持ちし、快適な使用感を保つことができます。例えば、使用後に軽くブラッシングすることで、繊維の表面を整え、毛羽立ちを防ぐことができます。また、リネンは天然オイルで軽く拭くと、繊維が保護され、柔らかさが持続します。
まとめ
麻はその優れた特性から、夏の衣料や家庭用品として非常に人気のある素材です。しかし、その繊維の特性から、肌触りにチクチク感を感じることも少なくありません。特にリネンとラミーの違いを理解し、それぞれの特性に応じたケアや製品選びを行うことが重要です。適切な洗濯方法やケア、製品選びのポイントを押さえることで、このチクチク感を軽減し、快適に麻製品を使用することができます。日常のちょっとした工夫で、麻の持つ魅力を最大限生かすことができるでしょう
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